道ばたの「石の力」を思い出す…。
2012年 11月 09日
「小さいとき、うんちがしたくなって困ったときは、
道ばたの石をひろって握りしめておうちまで帰りなさい、
って言われたんですよ」
「誰から?」
ある人がたずねました。
「姉から」
姉とはわたしのこと? とそばにいて思いました。
そんなことはすっかり忘れていた「姉=わたし」でした。
「それでどうなったの?」ある人はたずねました。
「そうすると、家までトイレをがまんしながら帰ることができたんですよ」
「それをお姉さんは誰から聞いたんですか?」
わたしは、いったいだれから聞いたのでしょう。思い出せませんでした。
「聞かなくても、石の力のことを覚えていたんですね」
ある人は、そう言いました。
そうなのでしょうか。
わたしにとって妹のする「石の話」は、そんなことがあったことすらすっかり忘れていたので、新鮮でした。
道ばたの石でも、握りしめてお願いすれば、窮地を救ってくれるのですね。