羽毛ふとんの羽毛が挨拶にきてくれた日…。
2013年 06月 15日
早朝、川沿いを散歩していたときのことです。
鉄の柵が両岸にあって、下には水が流れています。ここは、かつて、大雨のたびに川が氾濫したところ。コンクリートで整備して川の風情はありませんが、川は川。流れる水を感じます。
ふと、水の上を見ると、わたしが歩く歩調にあわせて、ふわふわと飛びながら進んでいるものを発見。白い塊です。
気のせいかとおもいましたが、やはりわたしの横を飛んでいるのです。いったいなにがふわふわしているのでしょう。ずっとわたしの歩調にあわせて、飛び続けています。しかも目の高さです。
このふわふわをわたしは、つい昨日見たことを思い出しました。
池袋のビックカメラで見かけたのでした。
羽毛ふとんのコーナーを通りすぎようとしたとき、透明で天井ほどの高さのあるボックスが目に入りました。そのなかで、ぐるぐるふわふわと飛んでいる羽毛たちを何秒間か見たのでした。
「こんなところに入れられて、いちにちじゅうぐるぐるまわっているのだろうか」
むしり取られ、集められた羽毛に気持ちを寄せながら見たのでした。
なんと、そのときの羽毛が挨拶に来てくれたのでしょうか。
羽毛の意識が外にいる仲間の羽毛に話しかけて、わたしのところにやってくるように仕向けたのでしょうか。
「おいで、おいで」
早朝をいいことに、誰も見ていないことをいいことに(そのとき、家人はいっしょに散歩していたので、ことの展開に驚くばかりではありましたが)、わたしは立ち止まって川の上の羽毛に話しかけてみました。
まさか、聞こえるはずはないとおもいながら…。
ところが、川幅のまんなかあたりから、右サイドにいるわたしにむかって、羽毛がやってくるではありませんか。ふわふわと飛びながら、わたしの方にむかってやってきます。
鉄の柵の間もちゃんとくぐり抜けました。しかも、わたしが出した手のひらの上にふんわりと乗ってくれるのです。
「ありがとう」
そのときのわたしは、信じられないという驚きの気持ちでした。とっさに、御礼を言わなければとおもい言いましたが、一体なにに対しての御礼なのかは自分でもよくわかりません。
「おいで」と言ったことに対して、ここまでやってきてくれたことに対して、とにかく御礼を言った形になったのでしょうか。
そのあと「もとのところにお帰り」と言ってみました。
すると、また、鉄の柵をくぐり抜けて、川の上に帰って行くのです。そのあと、すぐに見えなくなりました。
こんな話をすると、なにを馬鹿なことを言っているのか、とおもわれるかたもいらっしゃることとおもいます。
ただ、前日に、羽毛ふとんの羽毛に気持ちを寄せただけで、羽毛の仲間が挨拶に来てくれたなんて、そんなことは誰もほんとうにはしないとおもいます。
ただ、わたしは、不思議なことってあるんだと、いまでもときどきおもいだします。これは、いまから2〜3年前に実際体験した出来事です。
羽毛のほかに、春日大社の子鹿が挨拶してくれたときのことも忘れられないことのひとつです。
また、日をあらためて書いてみたいとおもいます。